デザフェスへの道・その4 鏡の雪 [New Items]
川端康成の「雪国」に、こんな描写があります。
「…鏡の奥が真白に光っているのは雪である。…なんともいえぬ清潔な美しさであった。もう日が昇るのか、鏡の雪は冷たく燃えるような輝きを増して来た。…」
"Piece of Universe--Yuki"は、そのイメージです。
私自身も雪国の出身です。といっても、そんなに深く降る場所ではありませんが。
最初に挙げた小説の描写を見て思い出すのは、夜明けの青い景色の中で光る、積もった新雪の純白と、それにより引き立つ室内の暗さ。雪明かり。雪によって一層冷える、独特の冷気。
そして日が昇るにつれ増してくる輝きと、融けてぽたぽた落ちる雪のしずく。氷柱(つらら)の透明さと輝き。これが、私の中の雪国です。
この"Piece of Universe--Yuki"では、新しい試みをしております。
まず、これ。
そして、これ。
雪のふわふわ感を出すために使ったのが、毛足の長い毛糸。
当初は羽根を使用しようと思っていたのですが、細工の勝手のよさから毛糸を選びました。
これを、目の粗いチェーンにくくり付けつつ作りました。
そして、2番目の写真は理容ばさみ。
毛足の長い毛糸をくくり付けただけでは、サンタさんのお髭みたいになっちゃいます(^_^;)ので、適宜はさみを入れて、さっぱりと。
正直、"Piece of Universe"シリーズの中で、これが一番苦労しましたA^_^;)なんせ直前までイメージが浮かばない(馴染んできた雪のことなのに!)。浮かんでも、それをどう形にするかが定まらない。とあって。
作業上一番苦労したのは"Kaze"ですが、イメージの実体置き換えに一番苦労したのは、この"Yuki"であるのは間違いないでしょう。
さあ、これで連作"Piece of Universe"が完成し、「風」「花」「雪」「月」すべて揃いました。
あとは、デザインフェスタで、皆さんのお目にかかるのを待つばかりです。
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